FLUX
SEIKO Watch Corporation
液体を通して、時の移ろいとはかなさを描く
グランドセイコーが誇る高級時計、スプリングドライブの世界観・思想を体現したインスタレーションとオブジェです。同じ時間でも、人によって感じる長さはそれぞれ異なります。そんな体感時間にフォーカスし、流動しつづけ、一瞬たりとも同じ状態ではない流体をメタファーに、時計の“精緻さ”の先に存在するであろう“時の移ろいとはかなさ”を表現しました。
Project Details
- Year
- 2019
- Client
- SEIKO Watch Corporation
- Category
- Venue
-
- jing [Tokyo]
- Museo Poldi Pezzoli [Milan]
- Photo
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- Daisuke Ohki
Installation
本インスタレーションのために、光を当てることで蓄光する特殊な液体を独自開発。液体で満たされたプールの上に点在する時計やパーツ群に光が当たると、真下の液体に光が宿り、発光した液体は、ポンプの力でゆっくりと流れ、有機的な波紋をつくりながら広がっていきます。さらに、時の移ろいを感じさせる映像が、空間全体を包み込みます。一度として同じ表情を見せない有機的な液体の流れを光によって可視化し、一人ひとりの体感時間や、時間との向き合い方の差異を重ね合わせています。
有機的なフォルムのガラスオブジェの中には、粒子と時計のパーツが封入されています。液体と同様に、粒子も光を当てると自ら発光する性質を持っており、光源が仕込まれた台からオブジェを手にとり動かすことで、光を蓄えた粒子は水のようにさらさらと流れ、ゆるやかにパーツと絡み合いながら、オブジェの中を光で満たします。