SO-Colored

微細藻類の「色」の可能性を探究する
水中、岩肌、道端から家の中まで、ありとあらゆる場所に生息する微細藻類は、約27億年前に誕生し、酸素を産み、生物多様性をもたらしたことで、現在の地球環境を創出したキープレイヤーです。近年の研究により、CO2の吸収剤や、石油の代替エネルギー、医薬品、機能性食品などに活用され始めており、多くの可能性を秘めています。SO-Colored は、そんな微細藻類の「色」に着目したリサーチプロジェクトです。一般的に緑の印象が強い藻類ですが、さまざまな緑が存在する他、種類や生育環境によって赤や黄、青など多彩に色素が変化し、鮮やかで深みのある藻類にしか出せない自然の色が生まれます。そこで、微細藻類の粉末を自然由来の樹脂と混合することでオリジナル素材を開発し、家具を制作。自然由来の「色」の新たな可能性を探ります。
※SO-Coloredは、we+と株式会社アルガルバイオの共同開発プロジェクトです。色材として、アルガルバイオが開発した藻類粉末を活用しています。
Project Details
Product
SO-Coloredは、合成染料が支配し、再生可能な素材が片隅に追いやられがちなこの時代に、色という存在の意味を改めて問い直します。本プロジェクトが提示するのは、ただの鮮やかさではなく、深く自然に根差し、持続可能性とともに息づく生きた色彩のビジョンです。そこには「美しさとは倫理の先にあるもの」という信念が流れています。最先端の科学と繊細なデザインの美意識が呼応することで、私たちの創造の営みにどれだけ自然へのまなざしが必要なのか、そしてそこからどれほど豊かな可能性が生まれるのかを教えてくれます。デザインとは単なる技法や形式ではなく、自然のささやきを汲み取り、それを私たちの暮らしに生きるかたちに力強く翻訳するための、たったひとつのエンジンであることを思い出させてくれます。
デザインキュレーター・作家 マリア・クリスティーナ・ディデロSO-Colored においてwe+は、有機的なものと人工的なものの境界が溶け合い、素材にも、物語にも、新たな可能性が芽吹く未来を描き出します。そこには、私たち自身のあり方を見つめ直す、新たなビジョンが広がっています。このプロジェクトは、単なるプロダクトのコレクションでも、生物由来の色素に対する考察でもなく、自然を「共創の女神」と捉えることで立ち現れる、新たな創造の地平への賛歌なのです。we+の手にかかれば、藻は見過ごされてきた存在から、壮大な表現へと姿を変えます。どれほど小さな生命体であっても、世界を動かす変化の源になり得る—SO-Coloredは、その事実を真摯に伝えています。