Less, Light, Local
Arakawa
食用としては使えない板海苔の新たな価値を探究する
Less, Light, Localは、食用としては使えない板海苔の別の価値を追求するリサーチプロジェクトです。シート状だから丈夫で軽く、サステイナブルでもある海苔の良さを、荒川技研工業のワイヤーシステム「ARAKAWA GRIP」の力で引き出した、インスタレーションと照明のシリーズです。
Project Details
- Year
- 2023
- Client
- Arakawa
- Category
- Venue
-
- Tiers Gallery [Tokyo]
- Almach Art gallery [Milan]
Product
Process
気候変動などの理由で色が褪せ、焼却処分される海苔
日本は、多くの海藻加工技術を有し、多種多様な海藻を食べる世界随一の海藻利用国。なかでも寿司やおにぎりに使われるシート状の板海苔は、手漉き和紙の製紙技術をもとに江戸時代に生まれたと言われ、工芸との関わりが深い大変ユニークな加工品です。限られた資源を無駄なく保存し、おいしくいただくための先人の知恵が詰まっています。しかし近年、気候変動による水温上昇や海流・生態系の変化により、十分な栄養を採取できず色褪せて育つ海苔が大量に発生。食用に適さず買い手がつかないことから、その多くが焼却処分されています。
和紙の使われ方を着想源に、板海苔の新たな活用方法を模索
Less, Light, Localは、手漉き和紙の製紙技術から派生したといわれる板海苔の歴史を着想源に、和紙の代替素材をはじめさまざまな可能性を探究。また、工芸のあり方に学ぶことで、土着の素材と技術を使って、シンプルに構成しています。これからのプロダクトのあり方を模索するとともに、海藻大国日本から、新素材として世界の注目を集める海藻の新たな活用方法を発信します。