Haze
東京で出た廃材を土着の素材と見立て、シンプルに加工する
Hazeは、不適切かつ複雑になりすぎてしまった人間と素材の関係の再構築を試みるオブジェです。使用しているのは、現代文明の象徴とも言える、東京で回収された使用済みの銅線(廃棄電線)。銅は、人類が初めて利用した金属であり、近代の電気文明やテレコミュニケーション文化の礎を築いた素材です。本プロジェクトでは、東京をより少ないエネルギーで銅が産出できる鉱床と見立て、「土着の素材を使い、自分たちの手でシンプルに加工する」という、人間と素材の関係の原点に立ち戻ることで、機能性や利便性にとらわれることのない、銅線の新たな価値を探っています。we+のリサーチプロジェクト「Urban Origin」の一環として取り組んでいます。
Project Details
Product
Process
資源の採掘から製造、廃棄まで、複雑化するものづくり
人間の活動が地球に地質学的なレベルの影響を与え、人新世と呼ばれる現代。世界中で自然循環を無視した採掘が行われ、ものづくりのプロセスは非常に複雑になりました。資源の採掘から製造、廃棄まで、その全貌を解明することは極めて難しく、人々は既存のシステムから抜け出す方法を見出せていません。Hazeの素材である銅もまた、世界中で過剰な採掘が行われており、その製造工程は非常に複雑です。可採年数は30年程度という試算もあります。